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偏光の原理とその記述
~電磁波方程式から導く偏光状態の理解~ …(PL)

偏光は、光の電場ベクトルがどのように振動するかによって決まる現象です。本記事では、電磁波の波動方程式 (EM1) を手がかりに、偏光がどのように生まれ、どのように記述されるのかを数式とともに丁寧に解説します。

目次:

  • ​境界面へ入射する電磁波の p/s 偏光成分による楕円偏光の記述

・p/s偏光成分による楕円偏光の記述

境界面に電磁波が入射する場面において、境界面の法線と入射光を含む平面を入射面としたとき、電界が入射面に対し平行に振動する成分をp偏光、電界が入射面に垂直に振動する成分をs偏光とする。図示すると以下のようになる。

電磁波における様々な公式の導出_286.png

​このとき、境界面へ入射する任意の電磁波は、以下に示すように、p偏光とs偏光の和で記述することができる。

偏光の原理とその記述_001.png

ここで、振幅ベクトルの単位ベクトルを以下のようにおく。

偏光の原理とその記述_002.png

但し、振幅ベクトルの絶対値は以下のように概念を複素数に拡張している(これを複素振幅と呼ぶ)。これは、p偏光とs偏光の相対的な位相差δを振幅に含めた形で記述するためである。

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これを用いると、(1)-②a,bは以下のように書き換えられる。

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(1)-②a',b'のスカラー成分(即ち、単位ベクトルの係数)を以下のようにおく。

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更に、(1)-⑤a,bの実部を以下のようにおく。

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(1)-⑥aを変形すると以下のようになる。

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これに(1)-⑥bを代入すると、位置ベクトルと時間は消去され、以下のようになる。

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両辺を二乗して、最終的に以下の式が得られる。

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これは楕円形状を表し、任意の位置ベクトルにおける、電界ベクトル先端の時間変化に対する軌跡を表す。

特に、

[i] δ=2m×π(mは整数)のとき、

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​これは直線を表すので、直線偏光と呼ぶ。

[ii] δ=(2m+1)×π(mは整数)のとき、

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​これも直線を表すので、直線偏光と呼ぶ。

[iii] δ=(m+(1/2))×π(mは整数)、且つ、Es=Ep=E のとき、

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​これは半径Eの円を表すので、円偏光と呼ぶ。

・楕円の回転角と楕円率の導出

​ここで、(1)-⑦'の楕円形状は、以下に示す楕円形状を原点に対し角度γだけ回転(時計反対回りの方向を正)させたものと一致するものとする。

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但し、aとbはそれぞれ、楕円の長半径(または短半径)と短半径(または長半径)で、正の値を取るものとする。

また、楕円率χを以下の式で定義する。

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ここまで示した関係を図示すると、以下のようになる。

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​ここで、γは時計反対回りを正とする方向を持つ角度であり、また、χは方向を持たない正の値の角度である。

(Esrt_Re, Eprt_Re) と (E'srt_Re, E'prt_Re) の関係を式で表すと、以下のようになる。

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(1)-⑩を(1)-⑦'へ代入して整理すると以下のようになる。

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(1)-⑧と(1)-⑪は一致するから、

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(1)-⑪bと(1)-⑫bより、

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(1)-⑨と(1)-⑪a,cと(1)-⑫a,cより、以下が得られる。

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​ここで、以下の関係を用いる。

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これらを(1)-⑭へ代入して整理すると、以下のようになる。

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​ここで、(1)-⑬より、cos2γは以下のように表される。

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これを(1)-⑭'へ代入して整理すると、以下が得られる。

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また、a,bは正の値のため、(1)-⑨よりtanχは正の値となり、(1)-⑭''よりtanχは以下のように求まる。

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一般的に、楕円率はsin2χの形で表され、(1)-⑭''、(1)-⑭'''より、最終的に以下の式が得られる。

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ここで、途中に現れた複合項は、後続の計算によって同一の式へと帰着している。

  • ​関連トピック

電磁波の式に関する詳細な解説については、以下のページを参照してください。

  • ​関連文献​

[A]井上光輝・中島信一『光学』共立出版

[B]田中拓男『光学入門』裳華房

[C]Max Born & Emil Wolf, Principles of Optics, Cambridge University Press

  • ​更新履歴

  • 2026-06  新規公開

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